乃木坂とわたし
乃木坂が好きだった。東京都港区にある坂の話ではない。アイドルの話だ。
大学1回生の夏休みが始まったばかりの頃、カラオケに行った。そこで友達(全く乃木オタではない)が歌っていたのが『トキトキメキメキ』だった。イントロが綺麗な曲だなぁという印象が残っている。
その晩、どういう経緯かは忘れたが別の友達(古参オタク)から色々布教された。おそらくトキトキメキメキの話をしたのだろう。『裸足でsummer』と『三番目の風』、『行くあてのない僕たち』が気に入った記憶がある。
これの久保ちゃんがとんでもなく可愛かった。
翌週だったか、その友達に誘われて全ツの会場(ヤンマースタジアム長居)に行った。他のアーティストも含めてライブ自体行ったことがなかったので新鮮だった。私は慎重派なのでその日は外で最初の3,4曲だけ聴いて(三番目の風を聴いて満足した記憶)帰った。しかし、それが乃木坂熱を上げるきっかけになったのは間違いない。
その夏休みは『乃木坂って、どこ?』と『乃木坂工事中』を見ていたら終わった。まったくおかしな夏休みである。
時は流れ冬になり、初めての握手会(ジコチュー全握大阪)、初めてのライブ(7thバスラ)に行った。「すいとーよ」そう言った某メンバーの顔はテレビで見るよりずっと小さかった。
そしてなんと言っても乃木坂のライブは最高である。初参加から2回連続でほぼ最前列を引くという強運も助けただろうが、毎度毎度本当に満足して帰っていた。初ライブでは卒業を発表していた西野七瀬のサプライズ登場、2回目は新キャプテンの発表があり、3回目は桜井玲香の卒業コンサートだった。私の参戦した中でベストを挙げるならば間違いなく3回目である。夏の終わりの神宮の夜風の中聴いた『時々思い出してください』は世界一だった。その後もサプライズに次ぐサプライズで柄にもなく(?)大号泣してしまった。乃木坂史の中でも屈指のライブではなかろうか。
そんなこんなで乃木坂にドハマリし、部室でライブ映像の鑑賞会をしたり、同じCDをたくさん買ったりしたのは青春の良き1ページであった。最後に行った握手会で久保ちゃんが言った「大好き」は少し前まで余裕で脳内再生可能だった(今は朧気である)。
2020年、あのウイルスがやってきた。8thバスラにはギリギリ参戦できたものの、それ以降は軒並み中止。時を同じくしてリアルの方でも部活の主将になった途端出鼻を挫かれる形となり精神的につらい時期だった。
それでも私の乃木坂熱は冷めなかった。というよりも「乃木坂46時間TV」を経て心の拠り所としてのポジションになっていった。
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今この記事を書いているのは、乃木オタをようやく卒業しそうだからである。
人の興味関心というものは移ろいゆくものである。私はここのところ乃木坂にあまりワクワクしなくなってしまった。理由としては年齢的なもの、生活内容の変化、他の趣味の存在が挙げられよう。
年齢的な問題。私ももう今年で23である。自分の将来のことを真剣に考えなければならない時期に来ている。必然的に他人の人生を応援する余裕はなくなってしまう。
生活内容の変化。私が乃木坂にハマっていた4年間は部活に打ち込んでいた。競技力向上のための努力ですり減らした心を癒やす存在として乃木坂が必要だった面は無視できない。部活とアイドルの親和性は高い。
そして他の趣味の存在。昨年の暮れ頃から私は新たな趣味を見つけてしまったのだ。それについて語るとまた記事一本分になってしまいそうである。次回はそれについて書こうと思う。いつになるかわかりませんが。
色々書いたが、一つだけ言えることがある。それは、
オタ活はめちゃくちゃ楽しい。
ということだ。趣味はいずれは冷めてしまうものだが、没頭している間は盲目的に楽しい。だからこそ、自分の中で完結している限り、どのような趣味を持とうが自由なのである。
最後にこれからの乃木坂との関わり方について。少なくとも推しが卒業するまでは軽いファンくらいは続けると思います。まあ熱が再燃しないとも限りませんが。
それでは、また。